カレカノごっこ。

「好きな女の子と好きな食べ物をシェアできるなんて、最高に幸せじゃん?」



好きな女の子、か。

うっかりドキッとしてしまう。

皆藤くんはデート気分を味わっているだけなのに。

でもそんな言葉がさらりと出てくるなんて、本当にデートが初めてとかずっと疑う。

なんか私も彼女っぽいこと言った方がいいのかな。



「私も好きな男の子とシェアするの憧れてたんだ!嬉しい」



どうだ。

やっと可愛い女の子が言いそうな言葉を言えたと思ったのに。

皆藤くんの顔は一瞬、曇ったように見えた。

でも、それは気のせいだったと思えるくらい一瞬のことで、皆藤くんはいつのまにか笑顔になっていた。



「今、ちょっとだけキュンとした」



ほら、またそんなこと言って。

これは自分に好意があると勘違いされてもおかしくないからね?

好きになってほしくないんだったら、そんなセリフ言わない方がいいのに。

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