カレカノごっこ。
「あっそう」
「なんか伊吹くん冷たくない?」
「そんなことないけど」
「もしかして…妬いてる?」
水島くんみたいに軽いノリで、冗談で聞いたのに。
「そんなんじゃないよ」
伊吹くんは真面目に答えた。
今までの伊吹くんなら、嘘でも私のノリに合わせて「妬いてる」って言いそうなのに。
「ねー、機嫌直してよ」
「だからこれが普通だって」
「水島くんといる時はそんなんじゃないでしょ?」
私がそう言うと、伊吹くんは私の腕を掴んで引っ張った。
私はバランスを崩して、伊吹くんの寝ているベッドに座り込んだ。