カレカノごっこ。

「だって…」

「…病気のこと聞いたからって、私は何も変わらないよ」



そりゃびっくりするかもしれない。

悲しいと思うかもしれない。

だけど、何も言われない方がよっぽど悲しかったよ。



「俺がイヤだったんだよ…」

「…え?」



それから伊吹くんはゆっくり話し始めた。



「…確かに周りには病人扱いされるのがイヤだった。ただ、普通に高校生活を送りたくて、誰にも言わなかった。けど、新奈には…。新奈に知られたら、かっこ悪いと思って…」



私は病気とかなったことないから、伊吹くんの気持ちなんて想像することはできても、本心なんて全然分かんなくて。

だからちゃんと聞かなきゃ分からないと思ってた。

でも伊吹くんから本音を聞いたら、もっと分からなくなった。



「かっこ悪いって…そんな理由?」

「笑いたかったら笑えよ…」



そう言って伊吹くんは布団をかぶって隠れてしまった。

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