カレカノごっこ。

それから伊吹くんはもうすぐ退院することを教えてくれた。



「また学校で会えるの…?」

「会えるよ。なんだと思ってたの?」

「だって、症状とか全然教えてくれないから。どれくらい悪いとか、そんなに心配しなくていいとか、分からなかったから…」

「大丈夫。透析さえちゃんと受けてたら大丈夫だから」

「本当?」

「本当」

「今回のことで悪化したとか…」

「あ〜…めちゃくちゃ怒られたけどね。でも大丈夫」

「本当に本当?」

「しつこいな。なに?そんなに心配?」

「だって、伊吹くん大事なこと言ってくれないから…」

「これからは言うよ。新奈にかっこ悪いって思われたくないから」

「やっぱりナルシスト…」

「ナルシストではない」



やっと伊吹くんから大丈夫って聞けて安心した。

涙が溢れそうになったけど我慢した。

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