カレカノごっこ。
「またしばらく入院になるけど…」
「うん…。寂しいけど待ってる」
「俺、寂しすぎて、手術逃げ出しちゃうかも」
「いや、本末転倒じゃん」
「だから、手術頑張れる何かちょうだい?」
「え、なにかって…」
伊吹くんは私の頬に手を添えた。
改めて向かい合って見つめられると、緊張で汗が滲む。
そのままゆっくり伊吹くんの顔が近づいてきて。
唇が触れた。
その時間がすごく長く感じて。
ぎゅっと瞑った目を少しずつ開けると、伊吹くんはこっちを見ていて。
それだけでドキドキする。
「…恥ずかしいから見ないで」
「なんで?もっと見せて」
伊吹くんはそう言ってまた唇を重ねた。