カレカノごっこ。
今日は快晴でいい天気。
頬を揺らす風は冷たいけど、お日様の光がほんのりと暖かい。
「少し早く着いちゃった」
学校の最寄りの駅で伊吹くんを待っていると、水島くんに会った。
「あれ井上さんじゃん。お、もしかして伊吹と待ち合わせ?」
水島くんには伊吹くん情報が筒抜けだ。
「うん。無事退院したみたいだね」
「な。あいつ俺から連絡しないと連絡よこさねーし。こっちの身にもなれっつーの」
「私もまたお見舞い来るなって言われてた」
「やっぱあいつ、ひどくない?」
「誰がひどいって?」
水島くんと話し込んでいる間に、伊吹くんが到着していたようだ。
伊吹くんは水島くんを羽交い締めしている。
「伊吹、元気そうでよかったよ」
「なんで蓮がここにいるんだよ」
「俺?俺はこれから彼女に…って時間やべー!じゃ、井上さん楽しんできてね!」
水島くんはそう言いながら慌てて走って行く。
本当に彼女さんのことが大好きなんだなと思うと微笑ましかった。