カレカノごっこ。

今日は快晴でいい天気。

頬を揺らす風は冷たいけど、お日様の光がほんのりと暖かい。



「少し早く着いちゃった」



学校の最寄りの駅で伊吹くんを待っていると、水島くんに会った。



「あれ井上さんじゃん。お、もしかして伊吹と待ち合わせ?」



水島くんには伊吹くん情報が筒抜けだ。



「うん。無事退院したみたいだね」

「な。あいつ俺から連絡しないと連絡よこさねーし。こっちの身にもなれっつーの」

「私もまたお見舞い来るなって言われてた」

「やっぱあいつ、ひどくない?」

「誰がひどいって?」



水島くんと話し込んでいる間に、伊吹くんが到着していたようだ。

伊吹くんは水島くんを羽交い締めしている。



「伊吹、元気そうでよかったよ」

「なんで蓮がここにいるんだよ」

「俺?俺はこれから彼女に…って時間やべー!じゃ、井上さん楽しんできてね!」



水島くんはそう言いながら慌てて走って行く。

本当に彼女さんのことが大好きなんだなと思うと微笑ましかった。

< 235 / 251 >

この作品をシェア

pagetop