カレカノごっこ。

「蓮となーに話してたの?」



そう言いながら伊吹くんは私の顔を覗き込んだ。

その仕草に思わずドキッとした。

久しぶりに見る伊吹くんは、思っているよりも元気そうで安心した。



「なにって大した話してないよ?」

「楽しそうだった」

「え?」

「なんで蓮と話してる時、そんなに楽しそうなの?」



そんな自覚なかったけど。

多分思い当たる節があるなら、



「伊吹くんの話してたからかな」



私と水島くんが話す内容なんて、いつも伊吹くんのことだけだよ。



「だから機嫌直して?」



私はそう言いながら伊吹くんの頭をポンポンした。

すると伊吹くんにその手を掴まれる。

そしてそのまま指と指を絡ませてきた。



「会いたかったよ、新奈」


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