カレカノごっこ。

あまりに近すぎて伊吹くんの方を見れないでいると、伊吹くんが体勢を変えて、私のほっぺたをツンツンとした。



「やめて」

「じゃあ、こっち見て」

「やだ」

「じゃあ、やめない」



伊吹くんは私のほっぺたを引っ張ったり、好き放題触ってくる。

やっぱり私の方がドキドキさせられっぱなしじゃない?

どうしても恥ずかしかった私は、ほっぺたを触る伊吹くんの手を握って静止させた。

そのまま伊吹くんの手を握って下に下ろす。



「初めて新奈から手繋いでくれた」

「手を繋いだんじゃなくって、ほっぺた触るの、やめて欲しかっただけ」

「素直じゃないんだから」

「だからなんでそうなるの?」



やっぱり伊吹くんは余裕そうで。

私ばっかり踊らされてる。

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