カレカノごっこ。
私の問いになんの反応もしない伊吹くんを見ると、頬を赤くして照れ臭そうにしていた。
そうだった。
伊吹くんって余裕そうに見えてるだけで、実はそうでもないんだ。
そう思うと、愛おしさが込み上げてきた。
「今、あんまり見ないで」
「なんで?こっち見てって言ったの、伊吹くんじゃん」
「そうだけど…」
「もしかして照れてる?」
「照れてない」
「じゃあ伊吹くんもこっち見てよ」
「いいの?理性きかなくなるけど」
そう言いながら伊吹くんは私の上に覆い被さってきた。
伊吹くんの温もりが。
伊吹くんの吐息が。
ダイレクトに伝わってくる。