カレカノごっこ。

プラネタリウムはあっという間に終わって、名残惜しさが残る。

外に出るとまだ明るくて、なんか変な感じ。



「昼ごはんどうする?」

「実は、お弁当作ってきてるんだよね…」

「え?」



伊吹くんが手術で入院している間、私も何かしてないと落ち着かなくて、料理の勉強をした。

伊吹くんのお母さんみたいに、上手にはできないけれど、伊吹くんに食べて欲しいと思ったから。



「俺、今日死んでもいい」

「縁起でもないこと言わないで」



外の芝生で、少し寒いけどお弁当を広げて。

伊吹くんは一つ一つお弁当のおかずを食べていく。

美味しいかどうか不安すぎて、つい伊吹くんを凝視してしまう。



「あんま見ないで…」



恥ずかしそうな伊吹くん。



「あ、ごめん」



私も食べようと思って、箸を持った。

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