カレカノごっこ。


「あー、おいしかった!」



お店を出て、二人で駅へ向かう。

電車に乗る駅は一緒で、方向が違うみたいだから、皆藤くんとは駅でお別れ。

思っていた以上に楽しかったかも。

皆藤くんも楽しんでくれてたかな?

そう思って顔を覗き込むと目が合った。



「新奈の食べっぷり見てると、俺まで顔がとろけそうだったよ」

「な!とろけてなんてないし」

「とろけてた。どろっどろにとろけてた!」

「ちょっ、どろっどろってやめてくれる?!」



必死に抵抗する私を見て、お腹を抱えて笑う皆藤くん。

なんか、そんな皆藤くんを見ていると、皆藤くんのペースに乗るのも悪くないなって思えてきた。

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