カレカノごっこ。
「恥ずかしいことって、なに?」
「んー?キスとか?」
いやいやいや。
「さ、さすがにキスはなしでしょ!?」
「なんか、きっぱり言われるとさすがに傷つくんだけど」
「あ、ごめん」
いや、まって?
あからさまにしょんぼりしだした皆藤くんにのせられて、つい謝ってしまったけど、おかしいよね?
もう一回頭の中を整理しよう。
皆藤くんはデートってものを経験したくて私をデートに誘った。
面倒は嫌いだから、皆藤くんを好きにならなさそうな私を選んだんだ。
デートができればそれでいいんだよね?
そもそのあのカフェに行きたかっただけじゃないの?!
ここで私が、照れ臭そうにキスに同意したら、皆藤くんは面倒くさいんだよね?
どれだけ私を振り回す気なんだろう。
やっぱり皆藤くんの考えていることは、さっぱり分からない。
「名前、呼んで」