カレカノごっこ。
「こーゆーのは適当でいいんだよ」
シャープペンを奪われ、スラスラと日誌を書いていく皆藤くん。
適当とか言ったけど、私からするとすごいちゃんと書いてるように見える。
「はい、おしまい」
「皆藤くんすごい!あっという間に終わった、本当にありがとう!」
「そんな大したことしてないけど、どういたしまして」
皆藤くんは見た目も完璧なのに、頭も良かったりする。
勉強してるところなんて見たことないのに。
授業中だってずっとふざけてる。
それでも、こうやってなんでもできちゃうのは、要領がいいのかなーなんて思う。
皆藤くんのおかげで今日は思ったより早く帰れそう。
筆記用具を片付けて帰る準備をしていると、皆藤くんは私にこう言った。
「ねえ、今日は彼氏と一緒に帰らないの?」