カレカノごっこ。

いやいやいや。

なんでこんなに感動する映画の途中で寝れるわけ!?

…やっぱりこういう映画、伊吹くんは興味なかったのかな。

そうだよね、マイナーなやつだし。

急に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。



でもさすがにこのままだと、私も気になって映画に集中できない。

伊吹くんだからとか、超至近距離だからとか関係なく、映画に集中したいだけ。

そう頭の中で言い訳しながら、伊吹くんの頭をまっすぐに戻した。



よし。

これで大丈夫。



だったはずなのに、また私の肩に倒れてくる伊吹くん。


…。


伊吹くんの髪は意外とさらさらなんだ、とか。

髪の毛が私の頬に触れてくすぐったい、とか。

びっくりするぐらいいい香りがする、とか。

どうでもいい情報ばかりが頭に入ってくる。

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