カレカノごっこ。
「渉、放課後用事ができてしばらく一緒に帰ってないんだ。ってか彼氏じゃないし」
そう返事をすると、なぜか変な間が空いた。
不思議に思って皆藤くんの顔を見ると目が合う。
「彼氏じゃないの?」
「違うよ。ただの幼なじみ」
「そーなんだ」
クラスメイトにまで勘違いされてたなんて。
やっぱり他のクラスの男子と一緒に帰るって、そう誤解をされてもおかしくないってことなのかな。
日誌を書き終わったのに、なぜか皆藤くんは帰ろうとしない。
不思議に思いながらも、私は帰る準備を続ける。
「じゃあ、ちょっとお願いしたいことあるんだけど」
教科書をカバンにつめ終える頃、ずっと窓の外を眺めていた皆藤くんが口を開いた。
「なに?日誌のお礼に何でも聞いちゃうよ!」
早く帰れることにテンションが上がっちゃって、勢いで何でも聞いちゃうなんて言ってしまった。
そんな私を見て皆藤くんはくすっと笑った。
「じゃあ───
今から俺とデートしない?」