カレカノごっこ。
「楽しいならそのまま続ければ?」
「うーん、それはないかな」
「なんで?」
「まあ、色々あるんだよ」
そう言って眉を下げながら微笑む渉。
サッカーを辞めた理由を私に教えてくれないのが少し寂しかった。
私にも言いずらい何かがあったのかな。
「いつもこんな時間まで部活なの?」
「そうだな、だいたいこの時間かな」
「毎日大変だねー」
「てか新奈こそ、こんな時間まで遊んでちゃダメだからな?」
「渉ってホントお父さんみたいなこと言うよね」
「心配なんだよ」
そっか。
さっき、渉が不機嫌そうに見えたのは、私がこんな時間まで遊んでたからか。
渉が私のことを心配するのには理由がある。