カレカノごっこ。
私がまだ中学生の頃、帰るのが少し遅くなって、不審者に襲われそうになったことがあった。
心配して私のことを探していた渉が発見してくれて、私は助かったんだけど。
それ以来、渉は過保護なまでに私を心配する。
クラスが離れても迎えに来てたのは、そのことがあったからだと思う。
「ねえ、ちゃんと分かってる?新奈は隙が多いんだよ?」
「分かってるよ!そのために護身術も学んだし、防犯グッツも持ち歩いてるもん」
「そういうことじゃなくて。はー、心配すぎる」
「え、なんで!?」
今防犯対策の話してたよね?
渉はなんの心配をしてるの?
「なんででしょう」
渉はそう言いながら私のほっぺたをつねった。