カレカノごっこ。
水族館デート。
次の日、学校へ行く。
伊吹くんはもう教室にいて、いることを確認すると直ぐに目をそらした。
昨日の今日で伊吹くんに会うのが恥ずかしいのは私だけかな。
まあ、クラスではめったに話さないし、今後の接し方についてゆっくり考えよう。
そう思っていたのに。
1限目で、急に席替えが行われた。
私の席は窓際の一番後ろの席で、何気にこの席が気に入っていた。
できれば席替えなんてしたくないなー、なんて思いながらくじを引く。
私が引いたのは窓際の1番後ろから2番目の席だった。
私のくじを覗き見してくる桃々。
「新奈はどこだった?」
「私は今の席の1個前」
「まじ!?私はその前の席だよ!?やったね」
今の席が究極にいい席だと思ってたけど、仲良しの桃々と後前になれてもっといい席を更新してしまった。
「もう2度と席替えしなくていい」
「同感!」
桃々とテンションが上がりながら、席を移動して椅子に座る。
隣に誰か来たなって思って顔をあげると、思ってもいない人がそこにいた。
「あれ、隣井上さん?」