カレカノごっこ。
伊吹くんだ。
え?
伊吹くんが隣の席…?
伊吹くんと目が合うと、伊吹くんは少しだけ口角を上げて笑った。
「どうも…」
どうもってなんだ、どうもって。
やばい、教室であんまり喋ったことがないから、いまいち距離感がつかめない。
私が挙動不審になっていると、伊吹くんは肩を揺らして笑っていた。
「伊吹、何笑ってんだよ」
「なんでもねーよ?」
私の後ろの席は、どうやら伊吹くんと仲のいい水島くんが着たみたいだ。
前言撤回。
今すぐ席替え希望します。
だって、伊吹くんは水島くんと仲がいいから、私の方に足を出して水島くんと楽しそうに喋ってる。
すごい、見られているような感覚になって居心地が悪い。
実際、私なんて眼中に入ってないんだろうけど。
それでも気になっちゃう。