カレカノごっこ。
「あれ、新奈も水族館だったんだ?」
後ろから声をかけてきたのは渉。
どうやら渉も水族館を選んでいたらしい。
「懐かしいよな、ここ」
「昔、おばさんに連れてきてもらったよね」
「なー、覚えてる?あの時、確かヒトデを…「もう、それは忘れて!」
渉は私の黒歴史を喋ろうとしたから、すぐに止めた。
クラスメイトに聞かれていたら恥ずかしい。
「ほら、もうすぐ時間だから渉は自分の班に戻りなよ」
「はーい。あ、そうだ。今日部活ないから久々に一緒に帰らない?」
「そうなんだ、分かった」
渉に返事をすると、渉は自分のクラスの方に戻って行った。