カレカノごっこ。

お昼ご飯も食べ終わって、午後からは桃々が目当てのペンギンのところまで来た。



「めっちゃ可愛い!」



おおはしゃぎの桃々。

確かにめちゃくちゃ可愛い。

なのに泳ぐのが早くて、ギャップがすごい。

もう少しでペンギンのふれあいイベントの時間だから、それまで少し待つことになった。

桃々がペンギンを激写している間、後ろで微笑ましく見守っていると、肩をとんとんとされる。

振り向いて見てみると、伊吹くんだった。



「なに?」



私がそう言った瞬間、私の腕を掴んで引っ張る伊吹くん。



「え!?なに?ちょっと!」

「しー!」



口に人差し指を当てて、私に”喋るな”と言ってるみたいだった。

どんどん、桃々たちのいるペンギンのところから離れて行く。

班のみんなはペンギンを見ていて、私たちがいなくなったことに誰も気がついていない。

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