カレカノごっこ。

一度言ったら私の意見なんて聞いてくれない伊吹くん。

もう分かってるから。

私は観念して伊吹くんについて行くことにした。



突然のことに心拍数が上がっていくのが分かる。

今まで普通にしてたのに、なんで…。

私は伊吹くんの背中を見ながら、ほんのり色づく頬を隠した。



結局、伊吹くんから連れてこられた場所は、カメのコーナーだった。



「カメ好きなの?」

「うん、大好き」



カメコーナーはほとんど人がいなくて、閑散としていた。



「ほら見て。止まっているように見えるけど、すごくゆっくり動いてる」

「あ、ほんとだ」



って、課外授業中に私は何をやってるの…?

冷静になればなるほど、おかしな状況に気づいてく。

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