カレカノごっこ。

「俺、面倒くさいの超苦手なの」

「うん?」

「束縛とかされるの嫌いだし、友達優先したいし?」



言いたいことは分からなくもない。



「だから、俺にあんまり興味なさそうな井上さんがいいんだけどなー」



そう言いながらやっぱり目をじっと見てくる皆藤くんは、女の子に慣れてるなーって思う。

じゃあ、なにか。

私は皆藤くんに興味のない人間代表として選ばれたわけか。

ちょっと納得。

…って、いやいや待って。



「俺とデートしたら楽しいよ?」



ほら、そんな甘い顔して。

惑わせてくるみたいに言うから、つい流されてしまいそうになる。

< 8 / 251 >

この作品をシェア

pagetop