カレカノごっこ。

そう言えばあの時、帰り際。

伊吹くんは何かを言いかけてた。

渉が来たから途中になってたけど。

結局、何だったんだろう。



「新奈?」



気がつくと先生の話はもう終わっていて、すぐ隣に渉が来ていた。



「あれ、渉?」

「何ぼーっとしてんの?」

「あー、ごめん」



やば。

考え事をしている間に、先生の話が終わっていたらしい。

辺りを見渡すとみんなそれぞれ帰りはじめていた。

桃々も私に手を振って、帰っていく。



目の前にいた伊吹くんも、いつの間にかいなくなっていた。


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