【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
電車を降りると、駅の明るい光を背に小坂を送りに歩く。
遅い時間だし危ないから家まで送ると申し出たけれど、小坂がコンビニに家族が迎えに来るからいいと断った。
今日も含めて、小坂は家まで送らせてくれない。
草履を履いている小坂の足場を気にしながら、ゆっくり歩いていく。
「小坂、今日は本当にありがとう」
他愛ない会話が途切れたところで、俺は静かに隣の小坂に向かって声を放った。
「お礼を言うのはこっちの方だよ」
小坂はそうやって謙遜するけど、そんなことない。
その証に、今俺の胸元でペンダントが光っている。
すぐ近くを走っていく車のヘッドライトに照らされ、暗闇の中でぱっと輪郭が映し出される。