【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
「可愛い……。すっごく嬉しいよ、榊くん。本当にありがとう……!」
「よかった」
「大切にするね」
まるで宝石でも眺めるみたいに手の上のバレッタを大切そうに見つめている小坂。
愛おしい、という感情が蓋の中からこぼれた。
俺は乱れた不整脈を正すように息をひとつ吸うと、真正面から小坂に向き合う。
「小坂」
「ん?」
バレッタに注がれていた視線が俺に向けられる。
その視線を捕らえたまま、俺は唇を開いた。
「俺……小坂のことが好きだ」
深く温度のある感情が言葉という輪郭を持って大気を震わせた瞬間、小坂の顔がはっとしたように強張った。