【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ




それから俺たちは、ジェットコースターに空中ブランコと、定番のアトラクションを端から制覇していった。


そうしているうちに完全に日が暮れ、空はどこまでも平らかな黒に覆われた。

けれど夜の遊園地はライトアップが綺麗で、昼間の遊園地に負けず劣らず最高だ。


その中でも一番目を引いたのは、メリーゴーラウンドだった。

まるで幻想的な光の魔法に纏われているようで、異世界に来たのかと錯覚してしまうほど。


「どれに乗る?」

「あ、あの馬に乗ろうかな」


紗友が指差したのは、水色の鞍を着けた立派な白馬だ。


俺が隣の芦毛の馬にまたがると、紗友が「悠心、馬に乗ってる姿がすごく様になってるよ」なんてひやかしてくる。

「それほどでもない」と返したところで、「それでは、回転でーす!」というアナウンスと共に優雅な音楽が流れ出し、馬たちが走り出す。

思ったよりも早い回転と、上下の動きが加わることによって、傍目で見ていたよりも反動が大きい。
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