【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
ホットドックでお腹が満たされた頃、大きい通路の方でパレードが始まり、俺たちは露店近くにあった噴水の縁に腰を下ろしてパレードを鑑賞した。
パレードからは少し離れているものの、人が少なくて落ち着いて見ることができた。
パレードが終わると、まわりの人々が散り散りになっていく中、俺たちは手を繋いでゆっくり園内を歩いた。
そして閉演時間が迫った頃、紗友が園内で最も大きくそびえたつアトラクションを指さした。
「次はあれに乗りたいな」
カラフルで眩い光を灯し、動いているのかもわからないほどゆっくりゆっくり動いているそれは、園内名物の大観覧車だ。
「乗るか」
言葉はなくとも、薄々感じ取っていた。
これが最後になるのだろうということは。
粛々と、時計の針は進んでいく。