【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ




眩しい光が突き刺す矢にように、俺の瞼を刺激している。

暗闇に差し込んだ一筋の光に手を伸ばすようにゆっくりと目を開ければ、トラバーチン模様の白い天井が目に飛び込んできた。

家の天井に似ているけれど、違う。


ここはどこだ……?


顔を動かそうとした時。


「兄さん……!」


すぐ横から感極まった声が聞こえてきてそちらを見れば、信じられないというように目を見張る悠樹がそこにいた。

その後ろには、ものものしい精密機器が並んでいる。


「はる、き……」

「兄さん、目を覚ましたんだね……!」

「俺……」


ふわふわと体と意識が浮いているように実体が掴めない。

思考にもやがかかっているようだ。


ベッドに横たわっていること、酸素マスクをしていること、手に太い針が刺さっていること、見慣れない病衣を身に纏っていること。

自分が置かれている状況のすべてをひとつひとつ理解し咀嚼していくには、到底時間が足りなかった。
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