【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
そんな俺の混線した意識を汲み取ったように、悠樹が説明をしてくれる。
「ここは病院だよ。川に落ちて、1週間眠り続けてたんだ。もしこのままずっと目を覚まさなかったらって、心配で心配で……」
言いながら涙ぐむ悠樹。
不安にさせたことを思い知り、胸が痛む。
きっと相当な心労だったに違いない。
卑屈になって、いつの間にか大きな存在に感じていたけれど、実際はまだ中学生。
俺はこの小さな肩に、いろいろなものを背負わせてしまっていたのかもしれない。
「ごめんな……」
謝ると、悠樹はふるふると首を横に振る。
「今日目を覚まさなければ危ないって……あとは本人の生命力に懸かってるって言われてたから。本当によかった……。待ってて、今お医者さんを呼んでくるから」
そう意気込んで駆けだそうとする悠樹の制服の裾を掴む。
なにより気がかりなことがあった。
「紗友……、紗友は?」