【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
野菜を切り終えると、それらを一緒くたに鍋に投入し、煮込み始める。
「あとは、忘れちゃいけない隠し味」
そう言って小坂が足元のスーパーのビニール袋から取り出したのは、なんとケチャップ。
「ケチャップを入れるのか?」
「人によってはチョコとかウスターソースとかを入れたりする人もいるけど、私はケチャップ派なんだよね」
スーパーで小坂がケチャップをかごに入れた時、なにに使うのだろうと思ったけど、まさか隠し味だとは。
何度も食べてきたカレーの中にも、こうしてなにか隠し味が足されていたのかもしれない。
様々な努力がされた上でおいしい料理ができ、それを享受しているのだということを実感する。