【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
「あとちょっとだったんだけどなぁ。次こそは……」
そうして再び照準を合わせる小坂。
銃を構える姿がやけに様になっている。
ほとんど間を置かず、小坂が再び発砲した。
木のコルクは鋭い弾道を描いて、2等と書かれた紙の的に命中する。
「あっ」
「うそ、当たった……!」
小坂が射的銃を下ろして、こちらを振り返る。
その顔には信じられない驚きと、湧き上がる寸前の歓喜が入り交ざっていて。
「榊くん、やった……!」
爆発する歓喜と共に、小坂が俺に抱きついてきた。
ぴょんぴょんと小坂が飛び跳ねるたびに俺の体も揺れる。
小坂から漂ってくるふんわりとした甘い香りが鼻孔をくすぐる。