誰もいないこの世界で、君だけがここにいた
プロローグ
世界は真っ暗だった。
誰も私のことなんて知らない。
私のことなんて見ていない。
まるで透明人間になったみたい。
孤独、なんて言ったら自分だけは特別だと思い込んでる思春期の黒歴史みたいで恥ずかしいけれど。
私は、孤独、だった。
でも、あの頃の私はそれが幸せなことだと信じていた。
この世界で、一人きりで生きることが最善なのだと思っていた。
今となってはそれが本心だったのかはわからない。
何時間も、闇の中で座り込んでいた。
そして、いつまでも枯れない涙をそのままにして、立ち上がり。
水面に映る、自分の顔に向かって呟いた。
〝みんな、私のことなんて忘れてしまえばいいのに〟
——まさか、あの言葉が本当になるなんて思わなかったんだ。
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