原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
第1話
「君は転生、って言葉を知っている?」
ロザリンドの目の前の男が彼女に聞いた。
「て、転生?」
生まれて初めて聞く言葉だった。
男の名前はウェズリー。
薄茶の柔らかな髪と同じく、柔和な水色の瞳の若者。
正直なところ、彼はロザリンドの好みからすると優男過ぎるが、ロザリンドの婚約者だ。
ウェズリーはルーランド王国コルテス侯爵家長女のロザリンドに相応しい家格の、ラザフォード侯爵家嫡男だった。
両侯爵家は共に王家主導のとある事業に関わっていたので、ふたりの婚約は政略と言われれば、そうであるとも言えたが。
かと言って、この婚約がなくなれば事業が立ち行かなくなる程でもなかったので、政略婚とも言いきれないものであった。
両家は何代にも渡り付き合いがあり、
ロザリンド・オブライエン・コルテスと
ウェズリー・ノース・ラザフォードは幼馴染みであり、年齢差も実家の爵位も財力もうまい具合に釣り合いが取れているとして。
なんとなく、そうなんとなーく緩い感じで結ばれた婚約だったのだ。
ロザリンドの目の前の男が彼女に聞いた。
「て、転生?」
生まれて初めて聞く言葉だった。
男の名前はウェズリー。
薄茶の柔らかな髪と同じく、柔和な水色の瞳の若者。
正直なところ、彼はロザリンドの好みからすると優男過ぎるが、ロザリンドの婚約者だ。
ウェズリーはルーランド王国コルテス侯爵家長女のロザリンドに相応しい家格の、ラザフォード侯爵家嫡男だった。
両侯爵家は共に王家主導のとある事業に関わっていたので、ふたりの婚約は政略と言われれば、そうであるとも言えたが。
かと言って、この婚約がなくなれば事業が立ち行かなくなる程でもなかったので、政略婚とも言いきれないものであった。
両家は何代にも渡り付き合いがあり、
ロザリンド・オブライエン・コルテスと
ウェズリー・ノース・ラザフォードは幼馴染みであり、年齢差も実家の爵位も財力もうまい具合に釣り合いが取れているとして。
なんとなく、そうなんとなーく緩い感じで結ばれた婚約だったのだ。
< 1 / 255 >