原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「……」

 養女にした姪を貴族のご婦人に似つかわしくない言葉で口汚く罵る妻を叱ること無く、フライ男爵は不味そうに硬いパンを噛んでいた。


 叔父のフライ男爵は商才が全くない男だった。
 平民と駆け落ちして廃嫡された兄の代わりにフライ男爵家を継いだが、先代から受け継いだ財産をただ食い潰すだけの男だった。

 叔母の男爵夫人は先細りしていく財産に、どうにかしてストップがかけられないかと悩んでいた頃、仕方なく参列した義兄の葬儀で美しい姪を知り、これは使えると判断して夫に引き取ることを提案したのだ。


 娘を貴族学苑に通わせて、どこぞの高位貴族の令息を捕まえて、卒業後に愛人にして貰えたら、
それに寄生しようとしていたのだ。
 そんな男爵夫妻の身勝手な計画通り、美貌の養女ミシェルはラザフォード侯爵家の嫡男という超大物を釣り上げた。

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