原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 ミカミさんがどうにかして貴女を助けたい、と思っているのもわかっていた。


 あのファンミーティング。
 泊まりにしよう、とミカミさんに提案したのは私。
 お金と時間と労力を取られる一泊二日のファンミなんて、参加人数は減りますよ、と彼からは言われたけれど。
 一緒の部屋で寝泊まりしたら貴女との距離は縮まって、お互いに悩みを打ち明け合ったりなんかしてね。


 そうなったら、あの夜私は思いきって貴女に言おうと思ってた。
『このまま、あの部屋に戻るのはやめなよ』って。


『このまま、あんな男から遠く離れた所へ行っちゃいなよ。
フリーランスの仕事だから、リモートで全然余裕だよ』

 貴女が落ち着くまで、きっとミカミさんが傍に居てくれるよ、って。

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