原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 5年前にコルテス侯爵オブライエン家の後継となったオスカーを妬んだ次兄ダンカンは、未だに改心せずに、辺境騎士団を脱走してまで、オスカーに事を仕掛けてくるつもりらしい。


 義父に伝えて、ダンカンを捕らえて貰うことは
侯爵家の力を持ってすれば簡単な事だが。
 もし、そうなれば実家であるウェイン家に類が及んでしまうかも、とオスカーは恐れた。
 よって、他に知られることなく解決しようとしてひとりでダンカンに会いに行き、媚薬を盛られてしまうのだろう。


 ダンカンの企みは容易に推察出来る。
 媚薬で朦朧としたオスカーに、女性をあてがい。
 その盛り上がった時点で、現場を誰かに押さえさせる計画だと思われた。


 未成年の令息が起こしたスキャンダルによって名家コルテス侯爵家の威信は地に落ち、汚名をもたらした原因のオスカーは絶縁されるだろう。



 最近の王国はランドール第2王子殿下の恥ずべき行状から、全体的に未成年の不純交遊に厳しい処分を求める風潮になってきている。


 特にオスカーは『王族に鉄槌を下した男』と、
名声が高まっているところに本人の猥褻行為発覚は、どれ程侯爵家に権力があっても、揉み消す事は出来ない大きさのスキャンダルになるのは明白だ。


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