原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
( けどさ、親父殿……あんたみたいなひとが。
なんでこんな中途半端な魔法をかけたんだよ?)


 グレンジャーが視たところ、義父がオスカーにかけた保護魔法は対外的な攻撃を跳ね返す為のものであって、体内からの攻撃には防御出来ないものだった。
 通常の保護魔法は内外双方からの攻撃に備えてかけられるものだ。


 幼い頃に髪色を変えるまでして、何かからオスカーを守りたかったのなら、まず警戒するべきは毒物なんじゃないのか?

 それにウチで引き合わせた時、まるで初対面のようにオスカーに接していたのは何故なんだ?

 義父に聞きたいことは山程あった。


 グレンジャーは唇を噛んだ。
 俺は友達には遠慮なんかしないからな。
 あいつは俺を巻き込ませたくない、と事情を話さないけど。

 あんなに苦しそうにしているのに、このまま知らん顔はしてやらない。
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