原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 振り返りメイドに、コルテス侯爵家の侍医を呼ぶ様に指示をした。


 それからゆっくりと、傍らにしゃがみこんだ
ウェズリーを睨んだ。


「ロージーは何故、ひとりで興奮したんだ?」

「……」

「今日は約束してなかったのに、お前が来た。
 さっき、俺を呼びに来たメイドが言っていた。
 お茶の用意をしたら離れていろ、とお前に言われたと。
 それでロージーが倒れたことに、直ぐに気付けなかったと」

 オスカーが怒りを抑えていることは明白で。
 いつも冷静な彼が見せた感情に、ウェズリーは恐怖を覚えた。


「き、昨日ミシェルと別れた、とロージーに話したんだ……」

「ウェズリー、お前……」

「入学して周囲から色々聞かされるのは辛いだろう、と思ったんだ。
 もう過ぎたことだと教えておいた方がいい、と思って話した」

「……」
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