原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
それでつい、ミシェルに声をかけたウェズリーだった。
別れた元カノを見ていない振り出来ない男、ウェズリー。
「家を出てきたの、売られる前に」
ルーランド広場の中央に位置する噴水のスワンの泉の周囲には沢山の人達が座っている。
それぞれ談笑したり、露店で買った食べ物を分け合っていたり。
朝食を取っていない、と言われて、ウェズリーはミシェルに肉と野菜を挟んだパンを買った。
噴水に背を向け、彼女は凄い勢いでそれを食べあっという間に完食してから、ようやく笑顔を
見せて
『ごちそうさま』と言った。
その輝くような笑顔が見たくて、大切にしたくて。
どんなモノでも彼女に与えたい、と思っていたのに。
今となれば
『あー、そんなにお腹空いてたんだな』位にしか思えないのがホッとして、なぜか寂しくなった。
そんな気持ちを押し隠して、空腹が落ち着いたらしいミシェルに聞いた。
「売られる、ってどういう事なの?」
「クソ男爵が借金をチャラにして貰う為に、私をアラカーンのデブ親父に売るのよ。
第5夫人らしいわ」
別れた元カノを見ていない振り出来ない男、ウェズリー。
「家を出てきたの、売られる前に」
ルーランド広場の中央に位置する噴水のスワンの泉の周囲には沢山の人達が座っている。
それぞれ談笑したり、露店で買った食べ物を分け合っていたり。
朝食を取っていない、と言われて、ウェズリーはミシェルに肉と野菜を挟んだパンを買った。
噴水に背を向け、彼女は凄い勢いでそれを食べあっという間に完食してから、ようやく笑顔を
見せて
『ごちそうさま』と言った。
その輝くような笑顔が見たくて、大切にしたくて。
どんなモノでも彼女に与えたい、と思っていたのに。
今となれば
『あー、そんなにお腹空いてたんだな』位にしか思えないのがホッとして、なぜか寂しくなった。
そんな気持ちを押し隠して、空腹が落ち着いたらしいミシェルに聞いた。
「売られる、ってどういう事なの?」
「クソ男爵が借金をチャラにして貰う為に、私をアラカーンのデブ親父に売るのよ。
第5夫人らしいわ」