原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 オスカーに向かってミカミかと尋ねたアビゲイルだったが、流石に勝手にはホナミの事を話す気は無かった。


「私にとっても初耳ですわ。
 第2章からの展開は貴方達おふたりで打ち合わせしていたのではなくて?」

「オルコットがオスカーの父だった、と記憶しています」

「まだ貴方にも話していない、ホナミちゃんの中だけの設定だったわけね……」


 私の頭の中だけの設定だから、無かったことになるのでは、とホナミは思い込もうとしていたけれど。


 転生の神様はいたずらが過ぎる。
 消えかけていた前世の記憶が昨日いきなり戻ってきた事も、そのいたずらの範囲なのか。

 記憶の復活についてアビゲイルなりの推察はあるが、それをオスカーに語るのは後回しにしよう。
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