原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 自分は死んだのだ、とロザリンドは思った。
 重い瞼を開いた目の前に、彼が居たから。


 チカ先生の渾身のイケメン。
 オスカー・オブライエン・コルテス。
 私の理想の男。


 上辺だけの優しさじゃない。
 薄っぺらな美しさじゃない。
 言葉だけの強さじゃない……


「ロージー、大丈夫か?」

 オスカーの紫の瞳が心配げに揺れていた。
 あぁ、いい……オスカー。
 貴方、声も良いわね。


 アニメ化の話なんてなかったけど、もしそうなったら貴方の声はこんな感じ、と想像していた声優さんが居たけれど。
 今の貴方の声はその人より合ってるわ。


 いいなぁ、最高ね……
 死にたくない、と。
 いつもあの男からの暴力の中で思っていたけど。


 オスカー、貴方に抱かれているなんて、こんな最高なシチュエーション、私は死んでしまって。
 ここが天国だから、なのね。
< 22 / 255 >

この作品をシェア

pagetop