原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「オズワルド?」

「そうです、そうです、オズワルド!
 あの人、急に苦しみ出して!
 お館を出る時は普通だったんですけど、今着いたら苦しい苦しい、って。
 もう初日から、なんて役立たずなんだか!」


 護衛のオズワルドが苦しみ出した?
 今朝の彼の元気な様子をロザリンドは思い出した。

 もしかして、グレンフォール公爵の指示を待たずに王太子派が動き出した?
 オズワルドは毒物か何か盛られたのかもしれない。


「そのまま彼をサリバン先生の所へ連れて行ってちょうだい!」

「かしこまりました、お嬢様は若様とお戻りくださいますか?」

「勿論そうするから、私の帰りの心配は無用よ。
 オズワルドの側には、今マルコムが付いているのよね?
 私も、どれ程の加減か確認するわ」

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