原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
ルシルが覚えていた御者のマルコムが馬車を停車させた所ではなく、もう少し進めた通りの先にコルテス侯爵家の馬車が見えた。
ロザリンドに連絡だけしたら、直ぐに出られる様に学苑の停車場に馬車を入れなかったのだ。
馬車を見た瞬間、ルシルは何か良くない予感がした。
慌ててルシルはロザリンドお嬢様に戻るようにお願いしようとしたのに、お嬢様は馬車に向かって駆け出していた。
「お嬢様、お待ちください!
待って!先に行かないで!」
ルシルは27歳。
全力疾走など10年来したことはない。
15歳の少女の脚力に追い付けなかった。
馬車の扉を勢い良く開けたロザリンドが中を覗き込んでいたのは見えた。
そして彼女はそのまま馬車の中に引きずり込まれた。
ルシルは目の前の光景が理解出来ず、声さえあげられなかった。
フードを被ったマルコムではない男が御者台に座り、馬車が走り去った。
ルシルのお嬢様、使用人思いのロザリンドを拐って。
ロザリンドに連絡だけしたら、直ぐに出られる様に学苑の停車場に馬車を入れなかったのだ。
馬車を見た瞬間、ルシルは何か良くない予感がした。
慌ててルシルはロザリンドお嬢様に戻るようにお願いしようとしたのに、お嬢様は馬車に向かって駆け出していた。
「お嬢様、お待ちください!
待って!先に行かないで!」
ルシルは27歳。
全力疾走など10年来したことはない。
15歳の少女の脚力に追い付けなかった。
馬車の扉を勢い良く開けたロザリンドが中を覗き込んでいたのは見えた。
そして彼女はそのまま馬車の中に引きずり込まれた。
ルシルは目の前の光景が理解出来ず、声さえあげられなかった。
フードを被ったマルコムではない男が御者台に座り、馬車が走り去った。
ルシルのお嬢様、使用人思いのロザリンドを拐って。