原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 それが正しいのか、デマなのかわからない。
 けれど、どっちでもいい。
 そうロザリンドが声をかける事で、この男が少しでも殺人を躊躇するのなら。


「何で名前なんか……
 お前達にとっては俺の名前なんて、有っても
無くても……同じだろ?」

「そんなこと無い! 貴方のお名前を知りたいのよ!
 ここで死んでしまうなら、最後のお願いくらい聞いてくれてもいいでしょう?」


 貴方達に名前も付けなくてごめんなさい。
 書かなかったエピソードだから、と好き勝手に
出来るなんて思ってごめんなさい。

 貴方達はこの世界で人生を生きていたのに。
 モブ扱いして、尊重しなくて……

 ごめんなさい。
 もう誰のことも、モブなんて言いません。



「……意味の無い事だ。
 親からは家名を名乗るな、と切り捨てられ……
 俺は自分の名前を捨てたから」

 その瞬間だけ、『名前を捨てた』と言った瞬間だけ。
 男の瞳に光が戻った気がしたが……
< 241 / 255 >

この作品をシェア

pagetop