原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!

最終話

 ロザリンドがベッドから起き上がれるようになったのは、3日前の事だ。

 先日行われたアーノルド王太子殿下の21歳の生誕記念夜会も母は欠席して彼女の側に付いてくれ、父と義兄は最速か?と聞きたいくらいの早さで帰宅した。


 オスカーは伯爵位以上の貴族達が立ち並ぶ前で
アーノルドに跪き、臣下の礼を取り、こう口上を述べたそうだ。


「この佳き日、私オスカー・ウェイン・マーカス、殿下のご尊顔を拝し、お慶び申し上げ奉ります」


 それを聞いて思わず立ち上がりかけた国王陛下を押し止めたのは王妃陛下だった。
 アーノルド王太子殿下を通じて王妃陛下には事前に、この口上の旨は伝えており、コルテス侯爵は勿論の事、グレンフォール公爵も承知の話だった。

 つまり国王陛下だけが知らされていなかったのだ。
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