原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「わかった、その事は義父上に申し上げておくよ。
 ウェズリーについて君の気持ちを話せるなら、話してくれないかな」

「……もう、彼との婚約は無しにしていただけたら嬉しいです」


 ウェズリーは決して悪い人ではないけれど。
 ロザリンドを愛していないもの。
 彼は、ミシェルに心を捧げたひと。
 記憶が戻った今となれば、貴族階級あるあるの
愛のない結婚など真っ平だ。



「その事も伝えていいね?」

 オスカーが確認してきたので、ロザリンドはうなづいた。

( バイバイ、ウェズリー。
私はこれから(仮面祭りの夜まで) オスカー義兄様に一筋だから!
あんたなんか、要らないの!)


 
 その後、ロザリンド・オブライエン・コルテス侯爵令嬢とウェズリー・ノース・ラザフォード侯爵令息の婚約は、ラザフォード侯爵令息の有責による破棄が決定された。



 そして2ヶ月が過ぎ、ロザリンドは王立貴族学苑に入学した。


 コルテス侯爵家の兄妹には共に婚約者が居ない状態となり、それは多くの貴族家門の『狙い目』となった。
< 31 / 255 >

この作品をシェア

pagetop