原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「……よろしくお願いします」

「任せてくれよ。
 彼女には夢のようなひとときをあげるよ」


 ロザリンドを火遊びの激しいランドールに預けることには躊躇いがあったが、さすがに側近の元婚約者で、有力貴族の令嬢で、何よりわずか15歳の義妹に。
 デビュタントの夜、無体な事をするはずはない。


 そう思って……思いたくて。
 オスカーは頷くしかなかった。
 少しだけ心が疼いたけれど、その痛みに気付かないふりをして。


 化粧室を出てホールに向かおうとすると、廊下で待ってくれていたらしいロザリンドはウェズリーと一緒に居た。


 まったく、どいつもこいつも!
 自分に合わせた髪型や化粧に変えて、綺麗になったロージーに集まりやがって!
 着飾らなくても、元々ロージーは可愛かったのに、地味だの何だの……

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