原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 2人の表情からは、父の現状を知る共通の知人から連絡されて、嫌々やって来たのは明らかだったのに。

 叔母は棺に寄り添うミシェルの姿を見て、叔父に何事かを耳打ちした。
 それを聞いた叔父は頷いて、身寄りのない14歳の少女を修道院にでも預けるか、と話し合っていた近所の者達に
『兄の忘れ形見を養女にして幸せにしたい』と、申し入れたのだ。


 人の悪意等想像もしていない純粋なミシェルは、養女にしてくれた叔父夫妻の言うことをよく聞いたけれど。
 アヤカの記憶を思い出したミシェルは、男爵夫人に時々反抗的な態度を見せるようになってきていた。

 そんな生意気な小娘に、義母は最近苛立ちを見せつつも我慢しているのが可笑しくて、ミシェルは心の中では嘲笑っていた。


「お前みたいに容姿しか取り柄がない、半分平民が!
 ラザフォード様の妾にして貰え、とはっきり言わなきゃわからない馬鹿だったなんてね!」

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