これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
お見合いと言っても、お互い幼少の頃からの知り合いで、加えて釣書も渡しているのだから自己紹介も今さらだ。
普通にお茶を飲んで、世間話をして終了した。
本当にお見合いとはこんなものなのか疑問に思ったけれど、まあこれは練習だし、相手が徹也くんだからと安易に考えていた。
なのに、いざお見合いが終わってみれば、私の思惑とは大きく外れてこのありさまだ。「あれは練習だから本番頑張れよ」と言われるどころか、翌日には父親経由で正式な結婚の申し込みがあり、気がつけばトントン拍子に話が進み、今日という日を迎えたのだった。
結婚の申し込みがあって以降、仕事終わりに徹也くんと待ち合わせて、数回デートらしきことをしてみた。
でも、食事に行っても手を繋ぐこともなく、また別の日には映画のレイトショーを観に行った。上映時間の関係で帰宅時間がちょっと遅くなったとしても、日を跨ぐこともなく家に送り届けられた。
全くと言っていいくらいに手を出されることもなく、びっくりするくらい健全なお付き合いを重ね、徹也くんは私の両親から絶大な信頼を得て、今日という日を迎えた。
でも今振り返ると、デートの時も恋人らしい色気のある会話はなく、ただ普通に今日は何々があったとか、あの店の料理が美味しいらしいなどとどうでもいいようなことばかり話していた。
こんな色気のない会話ばかりで、本当に徹也くんが私と結婚するのか半信半疑で、だからこそこうして結婚の話が現実味を帯びてくると、尚更のこと不思議な感じがする。
普通にお茶を飲んで、世間話をして終了した。
本当にお見合いとはこんなものなのか疑問に思ったけれど、まあこれは練習だし、相手が徹也くんだからと安易に考えていた。
なのに、いざお見合いが終わってみれば、私の思惑とは大きく外れてこのありさまだ。「あれは練習だから本番頑張れよ」と言われるどころか、翌日には父親経由で正式な結婚の申し込みがあり、気がつけばトントン拍子に話が進み、今日という日を迎えたのだった。
結婚の申し込みがあって以降、仕事終わりに徹也くんと待ち合わせて、数回デートらしきことをしてみた。
でも、食事に行っても手を繋ぐこともなく、また別の日には映画のレイトショーを観に行った。上映時間の関係で帰宅時間がちょっと遅くなったとしても、日を跨ぐこともなく家に送り届けられた。
全くと言っていいくらいに手を出されることもなく、びっくりするくらい健全なお付き合いを重ね、徹也くんは私の両親から絶大な信頼を得て、今日という日を迎えた。
でも今振り返ると、デートの時も恋人らしい色気のある会話はなく、ただ普通に今日は何々があったとか、あの店の料理が美味しいらしいなどとどうでもいいようなことばかり話していた。
こんな色気のない会話ばかりで、本当に徹也くんが私と結婚するのか半信半疑で、だからこそこうして結婚の話が現実味を帯びてくると、尚更のこと不思議な感じがする。